サウナ建築

巨匠アルヴァ・アアルトが設計したマイレア邸のサウナを分析!

今回紹介するサウナ建築はマイレア邸です。マイレア邸はフィンランドの巨匠アルヴァ・アアルトが建てた住宅の最高傑作と言われています。しかし、建築学科卒業の方でもマイレア邸は知っているけど、サウナがあることまでは知らない人が多いのではないでしょうか。そこで、ここではマイレア邸をサウナーの観点から見ていきたいと思います!

【全体形とサウナ】囲われた空間

この住宅はL字のヴォリュームと語られることが多いですが、全体形としては、L字の建物ヴォリュームとL字の屋根及び壁が組み合わされたコの字型をしています。さらに中庭には変形したL字のプールを配置することで中庭を囲い込んでいます。ここで注目したいことは敷地が広々とした丘の上に立っており外部に開くような構成ができるのにも関わらず中庭に開くような構成になっているのです。このように見るとアアルトは、ある程度囲われた空間を作ろうとしていたことがわかります。

また、サウナは図面左側に位置しており、L字の屋根に覆われ、その屋根には芝が育ち、蔦系の植物を配置することで自然の中に溶け込むようなデザインになっています。

さて、それではサウナ→水風呂→外気浴の流れでマイレア邸を詳しく見ていきましょう。

【サウナ】外部を望む開口

サウナ室の写真は残念ながら入手出来ていませんので図面からわかる情報だけで語ります。サウナ室はサウナ前室を中心にして両サイドにサウナ室と、着替えスペースが配置されています。サウナ室には開口があり、リビングスペースを望むような位置に配置されています。

【水風呂】湖に飛び込むことができる桟橋

サウナ室を出ると斜めにウッドデッキがはられており、自然とプールへ導かれるような構成となっています。そしてプールには桟橋がかけられており、飛び込むことができるようになっています。サウナ―にとっては、サウナ室から出て湖に飛び込むことができる夢のような形ですよね。ここからアアルトのサウナへの理解が伺えます。

【外気浴】主屋とサウナを繋ぐ半外部のテラスが最高の外気浴スペース

サウナ室はL字の屋根の下にあり、その主屋とサウナを繋ぐ半外部のテラスが最高の外気浴スペースになっているのです。そこには椅子や寝台が配置されておりゆっくり休むことができます。テラスの背後にはL字の壁が配置されており、この壁が風を程よく遮ってくれます。風が抜けすぎることがないので体が冷めにくくなるのでしょうね。心地よく程よい風が流れる外気浴スペースとなっていることがわかります。

【住空間とサウナの関係】林立する柱の奥に見えるプールとサウナ。それは林の奥の湖とサウナのよう。

ここまでサウナ→水風呂→外気浴の流れから建物を見てきましたが、住宅というプログラムとサウナの関係を考察したいと思います。マイレア邸の内部空間は丸柱や円柱状のルーバーを多用しており、内部に林のようなイメージを導入しようとしていたことがわかります。そんな内部空間からプールとサウナを見るとまるで林の奥の湖とそのほとりに立つサウナ小屋のように見えてきます。このことからアアルトはこのマイレア邸でフィンランドの原風景を表現したかったのではないかと思います。

【まとめ】

これまでインテリアの面から語られることが多いマイレア邸でしたが、サウナの観点からこの住宅を見てみると、アアルトがサウナを愛し、そしてフィンランドの原風景を愛していたことがよくわかりました。自分もいつかこの住宅を体験しに行ってみたいと思います。

図版出典:齋藤裕、『AALTO:10 Selected Houses アールトの住宅』、TOTO出版、2008

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