歴史

サウナの6つの変遷

今回はサウナの6つの変遷について話していきたいと思います。その前にサウナの起源についてみていきたいと思います。

フィンランドのサウナの起源

サウナがフィンランド発祥のものということは、皆さんご存じかと思いますが、実はフィンランド民族は、昔から現在の場所に定住していたのではありません。フィンランド民俗は6000年前くらいからテントサウナでサウナをしながら、各国を移住して現在のフィンランドの場所に定住しました。以下に移住した場所を示します。

中央アジア
→ロシア
→バルト三国
→フィンランド

このように見ると、初めは水などない砂漠地帯で体を清潔に保つためにテントサウナを使い始め、やがて水を求めて北上し、湖の豊富なフィンランドに落ち着いたのかなと推測されます。

また、常設のサウナの習慣は2000年前くらいから始まったのではないかと言われています。人類は500万年前に誕生し、そして火を使い始めたのが50万年前だと考えると、サウナの歴史は意外とまだ浅い方なのかなと感じます。

サウナの6つの変遷

サウナは初めから丸太小屋のような建物ではありませんでした。ここではどのようにサウナが現在の形になっていったのかを見ていきたいと思います。

1番目に登場したのはダグアウトサウナです。ダグアウトサウナはテントサウナの形式で、まず、地面を掘り込み(おそらくこれがダグアウトと言われる所以)、そこに熱した石を置きます。次に木の枝で骨組を組み、その上に動物の皮をかけて完成です。

原始的ですが、熱した石に水をかければ温度や湿度の調整が可能であり、日本のカラカラサウナよりも気持ち良く汗がかけそうですよね。

狩や魚獲りをして生活していた狩猟時代にはこのようなダグアウトサウナが重宝しました。

しかし、農業や牧畜が始まるとサウナも定置式の小屋に変わっていきました。そこで、2番目に登場したのはアースサウナです。これは傾斜地を利用して土中にサウナを作るものです。外から見ると扉だけ見えるのみです。自然との融合やランドスケープ的な観点からすると、むしろ新しくも感じてしまいます。

3番目に登場したのはスモークサウナです。ようやくここで、サウナらしい丸太小屋建築になってきます。これは、鉄器時代に登場したのですが、その理由は丸太を切断するノコギリが作られるようになったためです。

スモークサウナは1000年以上もの間、主たるサウナでした。スモークサウナの基本的な構造は薪サウナと同様です。煙突の有無だけ違います。6〜8時間程度かけてサウナストーンと室内全体を温めた後、煙を排出し火を止めてから入浴します。

しかし、現在はそのように手間がかかるため、フィンランドには3万個程度しかなく全体の1%程度という貴重なものになっています。


日本のフィンランドヴィレッジには、フィンランドのムーラメサウナ博物館にあった最古のアースサウナを忠実に再現したものが2018年に作られました。これはスモークサウナにもなっており、日本では唯一のスモークサウナになっています。自分もサウナフェスの際に体験したことがありますが、香りが素晴らしかったことを覚えています。

さて、4番目に登場したのは、煙道のあるサウナです。煙をサウナ室の外に排出することができるサウナです。これにより、サウナ室の安全性が確保されるようになります。

5番目に登場したのは、石と薪を切り離せるようになったサウナです。それまでは、薪の炎で直接、石を加熱していましたが、1920年代になり薄い鉄板をつくれるようになったことで、加熱部分を鉄板で囲い石の部分と切り離し、熱だけで石を温めることができるようになったのです。

6番目のサウナは電気式サウナストーブのあるサウナです。1950年代に電気式サウナストーブの量産が始まり、これにより煙道を設けなくてよくなりました。また、薪を保存する場所も必要なくなり、薪で石を温める手間もなくなりました。

まとめ

サウナの歴史を調べると、すんなりサウナに入れる現代社会に生まれてきて良かったなと思うと同時に、過去の人々の努力に感謝が尽きません。サウナの良し悪しを語る前に感謝の心を忘れないようにしたいと思います。

参考文献
・公益社団法人 日本サウナ・スパ協会、『管理士のためのサウナ・スパ専門知識』、朝日印刷、2019
・ペッカ トミーラ、「フィンランドにおけるサウナ7世代」

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